
MINOYAKI DESIGN LABORATORY
Project 05
GROUND CERAMICS
Our Challenge

美濃のやきものは、約500万年前の東海湖の地層から生まれています。
かつて広域に広がっていた東海湖。その湖底に堆積した粘土は、長い時間をかけて圧縮され、風化し、現在の陶磁器粘土として採取されています。
それは単なる土ではなく、地球の時間を内包した、非常に貴重な資源です。
しかし、一度焼かれた陶磁器は、その性質が大きく変化します。高温で焼成された器は、もはや土には戻らず、自然に分解されることもありません。
現在、それらの多くは再利用されることなく、産業廃棄物として埋め立てられています。
本来、数百万年という時間を経て生まれた素材が、わずかな使用期間ののち、循環することなく地中に埋もれていく——
その現実があります。
セルベンとは
セルベンとは、廃棄された陶磁器を粉砕して生まれる再生素材です。
かつて器であったものを粒子へと戻し、新たな素材として再び用いることができます。土には戻らない陶磁器に、もう一度「素材としての循環」を与える試みです。
セルベン、現在の活用方法
① 建材・インフラ用途
セルベンは、主に建材やインフラ分野において広く活用されています。
粉砕された陶磁器は高い硬度と耐久性を持ち、滑りにくい特性を活かして、歩道や駐車場の防滑舗装材として使用されています。また、色味や質感のバリエーションを活かし、景観舗装やインターロッキングブロックなど、都市空間のデザイン素材としても利用されています。焼成されたセラミック特有の安定性により、長期的な耐候性にも優れた素材です。
② 建築・工業材料
セルベンは、建築や工業分野においても機能素材として活用されています。
レジンモルタルの骨材や床材・壁材の原料として用いられるほか、サンドブラストなどの研磨材としても利用されています。高温で焼成された陶磁器は化学的に安定しており、耐摩耗性・耐熱性に優れているため、過酷な環境下でも性能を発揮する素材として評価されています。
③ 再生陶磁器(器への循環)
セルベンは、再び陶磁器の原料として活用される取り組みも進められています。
粉砕した陶磁器を粘土に混ぜ込み、再焼成することで、新たな器として生まれ変わらせる試みです。資源の循環という観点から注目される一方で、品質や配合比率の調整が求められるため、高度な技術と管理が必要とされます。
セルベンで庭を作る(新しいセルベンの活用)
これまでセルベンは、建材や工業材料として「機能」を中心に活用されてきました。
本プロジェクトでは、この素材を単なる材料としてではなく、風景を構成する要素として再定義しています。土に戻らない陶磁器を粉砕し、再び地表へと立ち上げることで、廃棄された素材に新たな役割と意味を与える試みです。それは、素材の再利用にとどまらず、「循環のあり方」そのも のを問い直す提案でもあります。










今回のセルベンの庭づくりにご協力いただいた皆様に心より感謝申しあげます。
今回の庭は、岐阜県多治見にあるTHE GROUND MINOで見ることができます。美濃焼の産地にあるこの施設は、土をコンセプトにした施設で、陶芸工房、作家の器ギャラリーのほか、レストランなど複合施設です。お近くにいらした際は、是非お立ち寄りください。