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Project 04

美濃高田地区の高田焼と青土

Our Challenge

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奇跡の土「青土(あおと)」

高田焼は1616年、岐阜県多治見市高田町で生まれました。高田焼は高田で採れる原土である「青土(あおと)」を用いるのが大きな特徴です。青土はコシがある土で、焼いたときに非常に丈夫になることから、耐久性の高い製品ができる特徴を持っています。きめが細かく粘りがあり、綿密に焼き固まることから強度があります。水に濡れると青く見えることから、青土と名付けられました。500万年前に堆積されたやきものに適した奇跡の粘土「青土」は その特性から他産地では常識とされている素焼きを必要としません。すなわち他のやきものよりも焼成回数が少ない為、エコロジーな焼き物と言えます。

高田焼の技術

石膏型による「鋳込み成形」という技法でつくられます。鋳込み成形は、液状の粘土を型に入れて、型から取り出し成型する技法です。袋状の形や、複雑な形を作る時に用いられます。型から出すタイミングは、その日の気温や湿度などの気候によって変化します。同じ時間置いても、土の固まり具合が異なるため、熟練の職人の勘を頼りに成形していきます。手間ひまがかかる為、鋳込み成形の器を生産している窯元は年々減少しています。
高田焼の歴史は、元和2年(1616)に加藤与左衛門景直が高田の地に窯を築いた時にまで遡ります。高田焼とは、美濃焼の一つとして高田・小名田を中心に焼かれる焼き物の総称であり、なかでも江戸から明治・大正にかけて、関東を中心に全国で親しまれた通い徳利が有名です。通い徳利は、今で言うマイボトルのようなもので、お酒を買いに行く時に持っていく容器として作られました。今でも暮らしに密着した焼き物が多く、すり鉢、行平鍋、薬土瓶、釜飯の釜、湯たんぽなど、土の風味を活かした味わい豊かな特産品を生み出しています。

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ガバ鋳込みのプロダクト 花器

高田焼の魅力を引き出すプロダクトとして花器を選びました。鋳込み成形だからできる形、また陶土でありながらきめ細やかで焼き締まり、見た目の風合いに加え、普通の陶土にはない強度と吸水性の少なさが特徴です。また、高田焼が得意とする大きいサイズでもあります。大きいサイズの花器は、それ自体がインテリアになりますので、花を生けていない時も存在感ある形でデザインしました。アンティークの水差しのような形とキャンドルスタンドのような形です。この二つともヨーロッパでは古くから生活に必要不可欠な道具です。高田焼も古くは日本人の生活に欠かせない日常の道具を真摯に作ってきたので、「道具に思いを馳せる」というキーワードからイメージを広げてデザインしました。

また、釉薬メーカーと協力して、今までの高田焼では取り入れられていない釉薬(表面にかけるうわぐすり)で新たな色を出すことにも挑戦しました。

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Project Member

プロジェクト参加メンバー

菱登製陶所

菱登製陶所は江戸後期に創業。現在400年ほど続く高田焼の歴史とともに、歩んできた窯元です。焼き物の伝統文化を守るため、美濃焼以外の地域で後継者不足などを理由に生産できなくなった製品作りも行っています。こうした地道な取り組みで、伝統文化を日々継承しています。

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